Jazz&audio
             第3回

     
高音用ATTの制作
 
 
吉田昌弘
 前回に続いて今回はツイーター用のアッテネーター(ATT)を作ります。
基本となる素材には今までスコーカーに用いていたラックスAS−10を改造して使います。市販のATTとしては良く出来たもので30年程前に購入以来端子部分を改造して使って来ました。
これはラックスの輝いていた時期の設計で、小振りの自社製カット・コア・トランスと自社製4回路11接点ロータリーSWを使い,背面で4,6,16ΩのインピーダンスとO〜-10dB、-11〜-20dBの減衰特性を切り替える方式を小さなケースにまとめた立派な製品です。入出力端子は真鍮にクローム・メッキでしたので当初からこれを外し直付けで用いていました。
同時期に発売されていたATTにパイオニアのAT-8Sがあります。これはロータリーSWを介して固定抵抗を選択する方式でこれも良く出来ていました。
今回はツイーター用なのでスコー力一用よりやや小振りに仕上げたい。そのようなことからこの選択が正しいと考えました。
内部配線材は高域特性を考えAWG20のアクロテック6Nと0.8mmの純銀単線をパラレルで使います。
減衰はO〜-10dBだけで充分、-11〜-20dBを必要としませんので、このSW部分をジャンプさせます。
この様に接点をひとつでも減らし、最短距離で配線をする事が良い音を求めるに当たり必要条件です。
スコーカー用と同じサイズのサブ・パネルと木の台座を作り、WE製の端子を全面に取り付けます。これはネットワーク全体が完成した時、ユニットとして組み付け分解をしやすくするためです。
ネットワークからの配線の受けは内部のSWを固定しているネジを利用し、この部分にタイト製の東芝端子を付け、ケーブルを半田で固定します。
中音用と同じくネジ止めとしても良いのですがスペースがありません。不要なパーツを外すか、外側に着けても良いのですがオリジナルの姿を極力残しながら改造を行いたいのでこの様な結果になりました。
SPケーブルはATTからドライバーまで約50cmですが純銀のより線を被服して作りました。
純銀線を使ったからか、高域のヌケがさらに良くなった事を報告します。

 

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