ジューン・ブライド

死紺亭柳竹


君は幸運な男だ
普通じゃ考えられない
尋常じゃない
わずか小学5年生にして 人生の花婿となり
最高の哲学書が
ショーペンハウエルの『読書について』ではなく
また同時に 最高のファイン・ノベルにして
全米最高のベスト・セラー
記録的なミドリのフィルム・ブックが
自分の預金通帳であることを知った男だ

すべての銀行がハルマゲドンしても
人類の頭取の代行はせず
おのれの残高を したり顔で
にたりにたりと読みつづける
それはアカシック・レコードに似てはいないのです
読書するのです
しなければならないのです
   
「披露宴」が「ヒロイン」に変換されても
何を構うことがあるだろうか
ここは言霊同士が交合する国

ピルグリム・ファーザー・ゴー・ホーム

 

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