駱駝色の黄昏    
  いとう  


少し煩かったので首に巻いた鎖を強めに引っ
張るとあっけなく死んでしまい仕方なくオブ
ジェにでもと思い立ち鎖を梁に掛けてそのま
まテコの原理でククッといや本当はズズっと
いう音がして小便やら大便やら臭うがすぐに
こうもりねずみがやってきて食べてしまうの
で清潔は保たれるので。

少年は勃起したまま死んでいる。オブジェと
しての価値と命は死後硬直の形によって吹き
込まれる。少年は勃起したまま死んでいる。
乾燥してから服を剥ぐと性経験のない少年は
勃起したまま死んでいる。怒張してなだらか
なウェイブを保ちそそり勃ち体躯に似つかわ
しくないそれはまるで寄生茸のように少年の
意志に反して。少年は勃起したまま死んでい
る。少年は勃起したまま死んでいる。少年は
勃起したまま死んでいるオブジェとして死ん
でいる少年のオブジェとして死んで勃起した
まま少年のオブジェとして勃起している少年
のオブジェは乾燥している。

少年の性器が熱を持ち膨脹している。満ち足
りた内部は変質を始め変質によって変節を主
張する少年の性器、熱を奪う掌によってしご
かれ熱を持ち黄白く粘った液が漏れ始め亀頭
の先を濡らすその汁を啜り飼っている子駱駝
に口移しで飲ませると嗚咽しながら涎を垂ら
す。すぐにこうもりねずみがやってきて、涎
は、すぐにこうもりねずみがやってきて、涎
は、(清潔は保たれるので)

いとうのHP:poenique〜詩の寄り添う場所〜

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