埋もれた名盤
           第4回

   
John Coltrane
My Favorite Things Session
Complete Discography
吉田昌弘
 なにを隠そうコルトレーンこそ私がジャズにのめり込んで行く切っ掛けとなったアーティストであります。今回は彼の十八番である「マイ・フェヴァリット・シングス」の全セッションを録音順に取り上げて見ました。こうして足跡を辿ることで彼の表現したかった世界が見えてくるでしょう。
未だアルバム化されて居らず、聞くことの出来ないセッションも有れば、未アルバム化と言われながらも運良く入手出来た幻盤もあり、音源、制作の異なる海賊盤ありとまちまちですが、これらを整理する事で私自身ジャズとの関わりの初心に返る事が出来たような気がします。

<第1期>

1960,9,24,Monterey Jazz Festival,CA       (演奏時間不明)
 

  John Coltrane(ss) McCoy Tyner(p)
  Steve Davis(b) Billy Higgins(ds)
この時が「マイ・フェヴァリット・シングス」の初演と紹介している文献等が有りますが、音源は未確認です。


1960,10,2,Atlantic Recording Studio,NYC      (13:41)
MY FAVORITE THINGS、Atlantic SD-1361

  John Coltrane(ss) McCoy Tyner(p)
  Steve Davis(b) Elvin Jones(ds)
 
 Oscar.Hammerstein,Richard.Rodgersが59年にミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の挿入歌として作曲しました。
このアルバムでコルトレーンが 同曲を取り上げ大ヒットした事が、生涯の十八番として演奏されて行く切っ掛けとなりました。
曲はピアノの落ち着いたイントロで始まりソプラノ・サックスでテーマに入るワルツ・テンポのジャズです。ハーモニー、リズムで新境地を求めていたコルトレーンにとって以後長く共演することになる McCoy Tyner(p)とは2度目、Elvin Jones(ds)とは初演です。
これは同曲の最初にして最後のスタジオ録音でもあります。

1961,7,1, New Port Jazz Festival            (16:25)
アセテート(ラッカー)原盤
John Coltrane
Musica 2MJP-1051

  John Coltrane(ss) McCoy Tyner(p)
  Reggie Workman、Art Davis(b)
  Elvin Jones(ds)


 65年に映画「サウンド・オブ・ミュージック」が日本で公開されるまではコルトレーンのオリジナル曲かと思わせる程に当時の彼の奏法と一体化しています。
当日はベースにR.Workman.A.Davisの二人を起用しています。
ピアノのイントロで始まりサックスで入っていく構成は初演と変わりませんがこのセッションでは中間でピアノ・ソロが長く成り結果演奏時間も延びました 。
Musicaより限定で発売されたオムニバス盤では「NAIMA」が欠け、音の分離も悪く情報として聞くのが精一杯で、ベースが一人であるか二人かの判断は付きません。
61年の同セッションを完全に記録したアセテート盤を聴くと二人である事がはっきりと判り、二本のベースで力強くリズムを刻む音づくりの意図が分かります。
これは権利関係をクリアーしたらLP化しなければならないと考えています。

1961,?,?,Show Boat Philadelphia          (演奏時間不明)
   John Coltrane(ts.ss) Eric Dolphy(as,fl,bcl,)
  McCoy Tyner(p) Reggie Workman(b)
  Elvin Jones(ds)
1961,7,22,Village Gate NYC              (45分)
    John Coltrane(ts.ss) McCoy Tyner(p)
  Reggie Workman(b) Elvin Jones(ds)
1961,7,23,Village Gate NYC              (演奏時間不明)
    John Coltrane(ts.ss) McCoy Tyner(p)
  Reggie Workman(b) Elvin Jones(ds)
1961,8,7,Detroit                     (演奏時間不明)
    John Coltrane(ss) McCoy Tyner(p)
  Reggie Workman、Art Davis(b)
  Elvin Jones(ds)
記録によればこのセッションもベースが二本だった様です。
1961,9,22,Monterey Jazz Festival,CA         (演奏時間不明)
   John Coltrane(ts.ss) Eric Dolphy(as,bcl,)
 Wes Montgomery(g) McCoy Tyner(p)
 Reggie Workman(b) Elvin Jones(ds)
ウェスと同曲を演奏した一度だけのセッションです。
1961,10,?,Southerland,Chicago           (演奏時間不明)
    John Coltrane(ts.ss) McCoy Tyner(p)
  Reggie Workman(b) Elvin Jones(ds)

1961,11,18, Olympia Theater Paris         (23分)

Live in Paris Jazz Way  LTM-1503

  John Coltrane(ts.ss) Eric Dolphy(as,fl,bcl,)
  McCoy Tyner(p) Reggie Workman(b)
  Elvin Jones(ds)

  パリという都市には実験的で優れた作品を生み出す土壌があるようです。
コルトレーンとドルフィー双頭コンボによるヨーロッパ・ツアーの初日3曲目に同曲を演奏。ピアノに続きソプラノ・サックスとフルートのイントロで始まる構成こそ変わりませんがアドリブの新たな地平を模索する23分は気迫と緊張感に満ちた演奏で愛聴盤の一枚です。

1961,11,19, Kurhaus,Scheveningen,Holland      (演奏時間不明)

        Concertgebouw,Amsterdam,Holland   (演奏時間不明)


1961,11,20, Falkonercentret Copenhagen Denmark  (29:00)
The Complete Copenhagen Concert
              CD MasmeticRecords


この日は1曲目に「DELILAH」を美しいバラード調で11分半演奏しており、これは生涯一度だけの録音です。
「マイ・フェヴァリット・シングス」は四曲目でソプラノ・サックス、フルートという高音部を使う二管によるクインテット編成を組んでのヨーロッパ・ツアーの意気込みを感じさせる29分の聴き応えのある演奏です。

1961,11,22, Kulttuuritalo Helsinki,Finland      (19:46)

1961,11,23, Konserthuset Stocholm Sweden      (24:24&20:20)
Historic Perfomance  HRLP-1 (24:24)
               HRLP-5 (20:20)
   Coltranology キング K18P-6233〜4
   THAT DYNAMIC JAZZ DOU!  OZONE-10

  スエーデンにて5枚組5色ジャケット、同色レーベルのLPとして出されHRLP-1は白、HRLP-5は赤のジャケットに入れられ、この種の海賊盤のはしりでもあり音も我慢して聞ける範囲内です。
現在市場で見かけるこのアルバムの多くはこのスエーデン盤LPから音を録りLP化している為、コピーによる劣化が見られ聞きづらい音に成っています。
私にとっても白は初めて買った海賊盤であり、「白・赤」共に愛聴盤で、ドルフィーが素晴らしくコルトレーンを引っ張っているとさえ感じさせ、この期の「マイフェヴァリット・シングス」の中でも完成度の高い好きな演奏でもあります。 演奏は初日のパリに比べ実験的な要素が薄れ落ち着きの有る完成度の高い作品に仕上がっています。
「白」は形を変え色々のレーベルから出されておりその幾つかを並べてみました。
Coltranologyは日本で二回ほど形を変えて正規に発売ました。OZONE版はローマ字表記の中途半端な日本語が混ざりアジアの何処かで闇に作られたモノでしょう。

1961,11,24,TV出演, Baden-Baden, W.Germany     (11:24)
John Coltran  HEAT NOTE  HN-002 (10:25)

 このLPは61年ドイツと記されているだけです。それをTV出演の時としたのは私の推測によります。またLPではいきなりサックスで始まり、尻はカットアウトされています。
放送時間の関係でしょうかヨーロッパ・ツアー中のみならず生涯で最も短いバージョンかもしれません。
TV出演を11,26,とした資料も有ります。


1961,11,25, Musikhalle Hamburg,W.Germany      (19:09)
1961,11,26, Falkonercentret Copenhagen Dnmmarrk (演奏時間不明)
 

   Elvin Jones→Mel Lewis(ds)
この日一日だけをコペンハーゲンという強行スケジュールです。
エルビンはホテルにパスポートを忘てしまい参加できず、急遽メル・ルイスに交代したという事です。

1961,11,27 Kongresshalle,Frankfurt Am Main,W.Germany,(20分)
     Mel Lewis→Elvin Jones(ds)

1961,11,29 Liederhall,Stuttgart ,W.Germany,    (15:34)


1962,2,9 Birdland,NYC                 (18:50)

Inner Man Vee Jay  RVC RJL-2663 (18:48)
TOW GIANTS TOGETHER Musidisc 30JA-5184
(18:57)

  John Coltrane(ts,ss) Eric Dolphy(as,fl,)
  McCoy Tyner(p) Jimmy Garrison(b)
  Elvin Jones(ds)

 ヨーロッパ・ツアーではドルフィーに引っ張られる部分も感じられましたが、帰国後初めてのライブではコルトレーンのペースで進められコルトレーン・クインテットの完成形があります。
ベースがJ.ギャリスンに交代する事で、集団即興演奏としてより躍動的になっています。
アルバムとしての人気は今ひとつですが、聞き直してみると再評価すべきアルバムで、これから聞き込んでみる必要を感じました。


1962,2,16 Birdland,NYC                (13:13)


<第2期>John Coltrane Quartet

1962,6,2 Birdland,NYC                 (13:55)
Impassioned Tener Man Alto-724

  John Coltrane(ts,ss) McCoy Tyner(p)
  Jimmy Garrison(b) ElvinJones(ds)

 ドルフィーが抜け、以後このメンバーで不動のコルトレーン・カルテットを構成し活動して行きます。

1962,11,17, Olinpia Theatre Paris          (演奏時間不明)

1962,11,19, Koncerthuset Stockholm Sweden     (21:03)
RARE JOHN COLTRANE Duke D-1016

コルトレーンのサックスで演奏が始まり、全体はアップ・テンポに進行して行き、聞き込む程に面白さの感じられるアルバムです。
音源の状態は余り良くありませんが、このDUKEというレーベルは他のアルバムでも割合と丁寧な作りを見せてくれます。

1962,11,20, Kulttuulitalo Helsinki Finland     (演奏時間不明)
1962,11,22,Falkonercentret Copenhagen,Denmark   (18:35)
1962,11,23, Robert-Schumann-Saal Dusseldorf, W.Germany(演奏時間不明)

1962,11,28,Gratz Austria                  (23:29)
The Comolete GratConcer NORMANOCD5640

 日本のノーマから出された二枚組のCDです。
この日コルトレーンは生涯で一度の「枯葉」を演奏し最終ステージで「マイ・フェヴァリット・シングス」を演奏しました。
サックスで空気を切り裂き続いきクァルテットのイントロが始まりテーマに入るスタイルが定着して来ました。

1962,12,1, Kurhaus Scheveningen Holland     (演奏時間不明)

1963,3,2 Birdland,NYC                (10:25)
Impassioned Tenor Man Alto-72(エアチェック)

 海賊盤の典型で白ジャケにモノクロ・コピーを張っただけのジャケット・デザインで音は悪く、制作者の住所も書かれず責任の所在がハッキリとしないLPです。

1963,7,7 New Port Jazz Fest            (17:31
SELFLESNESS impulse AS-9161

  John Coltrane(ts,ss) McCoy Tyner(p)
  Jimmy Garrison(b) Roy Haynes(ds)

 何故かこの日一日だけドラムスがR.ヘインズに交代しスネアを多用しています。それでもこの日の同曲はコルトレーン・クァルテットとして最上の演奏を聴かせてくれ当店でもリクエストの多いアルバムです。
サックスの一音で始まるスタイルも定着してきました。

1963,10,25 Copenhagen Denmak           (17:10)

TEMPO DI JAZZ   CDTJ-701


  John Coltrane(ts,ss) McCoy Tyner(p)
  Jimmy Garrison(b) Elvin Jones(ds)


 コルトレーン・グループとしては二度目のヨーロッパ・ツアーの初日、ドラムスがエルビンにもどります。
定型詩を聴いているような安定した演奏です。

1963,10,26, Berlin, W.Germany,           (20:32)

PABLO LIVE Afro Blue Impressions  PL-2620-101                              
 コルトレーン の油の載りきった時期なだけに素晴らしい演奏を聴かせてくれます。ニューポートのドラムスR.ヘインズに比べE.ジョーンズはシンバルを多く使いこの期のコルトレーン・クァルテットとして完成形の姿があります。
私の好きなアルバムの一枚です。


1963,11,1, Salle Pleyel Paris France         (演奏時間不明)

1963,11,4 Suttgart , W.Germany           (19分)
Unissued Concert Jazz Galore 10001 (18:54)
afro blue John Coltrane GREEN LINE JJ-613(19:07)

 
アドリブの限界に挑むコルトレーン・クッァルテットを満足して聴ける一枚です。
Jazz Galoreはイタリアのレーベルで10002番にはアイラーのドイツでのセッションを収めた「JESUS」があり幻の一枚です。どちらも丁寧に作られています。
afro blueは89年にEECで作られたモノで今でも入手は可能でしょう、久方ぶりにドラムス、ピアノで始まりサックスが入る初演を彷彿させる構成に戻ってっています。

1963,12.31. Philharmonic Hall,Lincoln Center,NYC (演奏時間不明)
    John Coltrane(ts,ss) Eric Dolphy(as,fl,)
  McCoy Tyner(p) Jimmy Garrison(b)
  Elvin Jones(ds)

ドルフィーとは久方ぶりの再会,そして最後のセッションです。


<第3期>新たな地平を求めて

1965,5,7 Half Note NYC                 (21:30)
BRAZILIA Blue Parrot AR 705
  John Coltrane(ts,ss) McCoy Tyner(p)
  Jimmy Garrison(b) Elvin Jones(ds)
 ハーフノートでの実況をイギリスで二枚にまとめた海賊盤です。
全体に今までとは明らかに異なる世界を模索しています。ピアノにはリズムよりも河の流れのような音を求め、ドラムスもバスドラが多くなっています、サックスの奏法にも変化が見られ集団即興演奏の新たな方向性を探っている様に感じられます。

1965,7,24, New Port Jazz Fest                (14:44)
Feelin Good impulse IZ 9345-2
 サックスの奏法には新しい回答が出ていません。
ドラムスもバスドラ、スネア、シンバルと多種を使い分けるが、それがかえって全体のまとまりを欠く事に成り、私としては不調に感じられます。

1965,7,27 Antibes Jazz Fest France             (18:10)
Live in Antibes,1965, ESOLDUM FC-119
 サックスの一音で曲は始まります。
ドラムス、ピアノ,ベースそれぞれの息も合いコルトレーン・カルテットとして完成度は高いです。ベース、ソロで締める構成の珍しいアルバムです。フランスでAM放送の為に採録されたのでモノーラルですが音質は充分です。

1965,8,1 Comblai La Tour, Belgium            (21:10)

Live in Comblain  Landscape CD LS2-922

 
  ピアノとドラムスに続いてサックスでイントロに入るスタイルに戻りました。テーマに入ってからのコルトレーンはアドリブの限界に挑む演奏を聴かせてくれ、ベースを始めピアノ、ドラムスもそれぞれは全体の意図をくみ取ったプレイを聴かせてくれますが、新しさは余り感じられっず予定調和で終わってしまいます。
コルトレーン・クァルテットとして最後アルバムの一枚です。


<第4期>Quartetを解散,


1966,2,19 Philharmonic Hall NYC           (演奏時間不明)
 
  John Coltrane(ss,ts) Albert Ayler(ts)
  Pharao Sanderas(ts,fl,piccolo)
  Donald Ayler(tp) Carlos Ward(as)          AliceColtrane(p) Jimmy Garrison(b)
  Rashied Ali (ds)

メンバー表を見ますと「アセンション」を彷彿させる構成です。A.アイラーが参加している、この一点だっけでこのセッションは是非にでも聴いてみたい一枚です。

1966,5,28 Village Vanguard,NYC           (26:04)
Live At Village Vanguard Againt
             impuls AS9124(5:09+20;55)
 JohnColtrane(ss,ts,bcl)PharaoSanders(fl,ts)
 Alice Coltrane(p) Jimmy Garrison(b)
 Rashied Ali (ds)

 ベース・ソロの5分に及ぶイントロで始まります。
前回からピアノとドラムスを変え管を加えた編成を組んでおり、
ドラムスはアフリカ回帰を思わせる音を組み立て、ピアノは大河を連想させ、サックスは二管でアドリブの極限を表現しています。
後期コルトレーンを代表する傑作の一枚です。

1966,7,2, New Port Jazz Fest              (22:05)

JOHN COLTRAE LAST PERFORMANCE AT NEWPORT
                    July 2 1966
JohnColtrane(ss,ts,parcussion)
PharaoSanders(fl,ts)Alice Coltrane(p) Jimmy Garrison(b)Rashied Ali (ds)
亡くなる1年前、来日直前のNewport Festivalでの演奏で、終始フリースタイルでこの曲を演奏しています。

 


1966,7,10,11、サンケイホール、Tokyo Japan           

 John Coltrane(ss,ts) Pharao Sanders(as,ts)
 Alice Coltrane(p) Jimmy Garrison(b)
 Rashied Ali (ds)

1966年の夏は記録によると冷夏であったそうです。しかし音楽界は前代未聞の熱気に包まれていた。
6月29日にビートルズの来日し、翌日から3日間武道館で公演、その翌日7月3日に帰国。
7月8日にはコルトレーンの来日。7月10日のサンケイホールでの公演を皮切りに、最終の23日の愛知文化講堂まで休みなしで連日公演を行い24日には帰国しました。この日本公演ツアーが最後の海外公演で、1年も経たない7月17日に急逝した。享年40歳。
サンケイホールの2日目は「SECOND NIGHT IN TOKYO」としてLP化されましたが、My Favorite Thingsは含まれていません。1日目に演奏している可能性が大きいです、是非レコード化して欲しいです。
この東京公演すべての司会は相倉久人氏がつとめました。


1966,7,22 厚生年金ホール、Tokyo Japan         (57:48)
Coltrane in Japan
      東芝imr-9036,7,    (26:18+31:30)

 ベース・ソロで始まるイントロ、それも延々14分半である事に驚かされます。意識の集中力、高度に磨かれた演奏テクニックまさに魂を奪われ震えさえ起きて来ます。
「マイ・フェヴァリット・シングス」のなかでも最も白熱した演奏の一枚です。二管である事を納得させる最も長い58分のヴァージョンです。
このレコードを聴くには、知性と体力が要求されます。後期のコルトレーンが求めていた集団即興演奏の「美」の集大成がここに有ります。
これだけの作品を日本で作ってくれた事に感謝致します。LPでは1-A,2-Bの二面に分かれていますが、中断せず通して聴けるアルバムに作り変えて頂きたいものです。


1966,11,11 .Mitten Hall, Temple University, Philadelphia
JOHN COLTRAE OFFERING
    Resonace B0019632-02 (23:18)
. John Coltrane (ss,ts,fl,vo) / Pharoah Sanders (ts,piccolo) / Alice Coltrane (p) . / Sonny Johnson (b) / Rashid Ali (ds)
. additional musicians include: Steve Knoblauch (as) / Arnold Joyner (as) /Umar Ali (per) / Algie DeWitt (per) / Robert Kenyatta (per)
藤岡氏の尽力により、正規録音のテープが発見され2014 年にCD化されました。冒頭3分35秒のべースソロの後テナーのテーマをオーソドックスなスタイルで3分近く展開、その後ピアノ、ドラムス、パーカッションが8分ほどあって、フリースタイルのテナーと成ります。終り近くでコルトレーンは自分の胸をたたきながら唄い、そしてエンディングへはいります。

1966,12,26 Village Theatre,NYC           (演奏時間不明)
 
  John Coltrane(ss,ts) Pharao Sanders(ts)
  Alice Coltrane(p)
  Jimmy Garrison, Lionel Sonny Johnson(b)      Rashied Ali (ds)Omar Ali (conga)
  Algie de WItt(bta ds) ? (tb)

1967,4,23 Ola Tunji African Center,NYC       (34:38)
John Coltrane
The Ola Tunji Concert- The Last Live Recording
          impulse 314 589 120-2
 John Coltrane(ss,ts,) Pharao Sanders(ts)
 Alice Coltrane(p) Jimmy Garrison (b)
 Rashied Ali (ds) Algie de WItt(bta ds)
 
病気を押しての出演で椅子にもたれて演奏した模様。
7分半にわたるベース、ソロのイントロで始まります。これは聴衆にとっても意識を集中させ精神を高めて行く為に必要です。
ひとたびテーマに入ると27分間サックスの音の途切れる事は全くありません。 途中 P.サンダースのテナーに助けられる部分で、私はなぜか阿部薫を思い出してしまいました。
いわゆる各パートのソロを聴かせて聴衆を楽しませるエンターティメントとは全く無縁な、最もラディカルに集団即興演奏が結実した作品です。
聴衆は会場に入りきれず場外に群がって聴くに及んだといわれます。このCDを初めて聴いた時、私はボーゼンと立ちつくしていました。その後の人生のあり方さえを変えてしまうであろうという演奏です。
これは紛れもなくコルトレーンの最高傑作だと断言できます。

1967,7,17,AM4,肝臓癌にて世を去る(41才)

<1966年7月、J.コルトレーン.クインテット,日本公演日程>    

日  程 開催都市  会 場

10日(日)

東京  サンケイホール

11日(月) 

東京 サンケイホール

12日(火)

大阪  フェスティバルホール

13日(水) 

広島 広島市公会堂

14日(木)

長崎 長崎市公会堂

15日(金)

福岡 福岡市民会館

16日(土)

京都 京都会館
  大阪 松竹座

17日(日)

神戸 神戸国際会館

18日 (月)

東京 厚生年金大ホール

19日(火)

東京 厚生年金大ホール

20日(水)

大阪 フェスティバルホール

21日(木)

静岡 静岡市公会堂

22日(金)

東京   厚生年金大ホール
  東京 ビデオ・ホール

23日(土)

名古屋 愛知文化講堂

24日(日)

帰国
参考資料   DAVE WILD氏 wildplace
       John Coltrane Discography
       ジャズ批評#47「ジョン・コルトレーン」
            #57「コルトレーン全セッション」ジャズ批評社刊
      藤岡靖洋氏Coltorane Discography
当ページにジャケット写真掲載のアルバムは当店に有りますので、リクエストに応じます。
<このページのトップへ戻る>